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2019年8月05日
肘部管症候群

肘の内側には肘部管(ちゅうぶかん)と呼ばれる骨と靭帯で形成されるトンネルがあります。また、肘の内側には神経(尺骨神経)があり、肘部管の中を走っています。肘部管内で尺骨神経が慢性的に圧迫を受けたり、牽引されることで痺れが生じます。進行すると筋肉が痩せたり小指や薬指の変形が起きてきます。原因として、肘は90°屈曲すると肘部管の圧は約3倍に増加します。よって靭帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫、加齢や幼少期の骨折による変形、野球や柔道などの肘に負担がかかるスポーツが考えられます。
簡単な診断方法としては肘に内側を軽く叩く方法があり、小指と薬指にしびれ感が走れば肘部管症候群を疑います。また、人差し指と親指で紙をつまませて引っ張ると親指が曲がってしまうFroment(フロマン)徴候が生じ、肘部管症候群由来の母指内転筋不全を疑います。外反肘や関節の間が狭くなっている変形はレントゲンでわかります。感覚障害や筋力低下の部位により、その他の障害と区別する必要がありますので、整形外科の受診が必要になります。

『治療法紹介』

保存療法をまず行い、スポーツでの使い過ぎで症状が出ている場合は安静が重要であり、投薬することもあります。これらの治療が効果がない場合や麻痺やしびれが進行している時には、尺骨神経を圧迫している靭帯の切離やガングリオンの切除を行います。神経損傷のあるものでは、神経剥離、神経縫合、神経移植などの手術が行われます。神経の手術で回復の望みの少ないものは腱移行手術(他の筋肉で動かすようにする手術)が行われることもあります。当院では、連携のある手術ができる病院への紹介状を作成することができます。また、術後は当院で運動器リハビリテーションを行い、術後のフォローもしています。詳細は整形外科医にご相談下さい。